2013年10月27日日曜日

【第十五回】伊達の雪 ちらし寿司とおでん



 幼少の頃の私にとって、にぎり寿司といえば出前であった。
 親戚が訪ねてきたり、葬式や法事の時のご馳走で、滅多には食べられない代物だ。

 よく食べたのは、ちらし寿司。
 母の好物であり、父の帰郷、家族の誕生日、節分、桃の節句、端午の節句、七夕、クリスマス…。
 季節の節目やイベントには必ず作られ、食卓に上った。


 2007年12月12日。

 この日に伊達にいたのは、本当に久し振りのことだった。





 海老、椎茸、干瓢、筍、ニンジン、銀杏、油揚げ…。
 そして錦糸玉子がたっぷりの、特製ちらし寿司が出された。
 もちろん私の大好物でもある。
 晩酌を傾けつつ、大いに味わった。

 その他、我が家で食べる寿司は、お弁当での稲荷寿司。
 刺身、卵焼き、キュウリ、干瓢、納豆などと寿司飯を自分で海苔で巻く、手巻き寿司。
 ヨークベニマルで、にぎり寿司セットが手軽に買えるようになったのは、ずっと後のことだった。

 ヨークベニマル伊達店
 http://www.yorkbeni.co.jp/store/fukusima/date.html


 2007年12月13日。





 福島県の県北に位置する伊達市であるが、冬の降雪量はそれほど多くはない。
 地区によって違いはあるけれど、伊達地区(旧伊達町)では、大雪の時でも20〜30cm。
 膝上まで積もるような降りは、記憶にない。





 小中学校の時には、車が作ったわだちや、住民が早朝に雪かきをしてくれた道を歩いて通学した。
 高校では、よほど酷い降りでない限りは、自転車で走った。

 私は新聞配達のバイトをしていたので、雪道の走りには自信があった。
 ポイントは、滑りそうなところを見極める。
 前ブレーキは決してかけない。
 段差には、直角方向から乗り上げる。
 そして、転びそうな時には無理せずに転ぶ…。

 今でも、雪の日が嫌いではない。





 そして寒い日には、おでん。
 関東風に「ちくわぶ」が入れられる。
 その他、大根、ジャガイモ、つみれ鰯、薩摩揚げ、イカ巻き、焼きちくわ、糸蒟蒻、昆布、玉子…。
 完成直前に、はんぺんを入れて温める。



 大きな地図で見る


 国道399号線を、大山クリニック前の信号機から北に曲がると、甲子園野球大会でも名が知られるようになった聖光学院高等学校へと通じる道だ。

 大山クリニックでは転んで顎を切ったり、右足膝の骨折、右足親指の爪を剥がした等々、葛飾区高砂から伊達に転校して以来、怪我の度にお世話になった。
 聖光学院高等学校のグランドは、小学校の夏休みにラジオ体操をする場所だった。

 大山クリニック
  http://www.fukushima-doctors.jp/detail/index_2093.html

 聖光学院高等学校
 http://www.seikogakuin.jp/index.php


 道の途中には、駄菓子屋があった。
 冬にはおでんがメニューに上り、聖光の生徒たちの軽食処でもあったと思う。

 小学生の頃、その店のおでんメニュー「ハムカツ」が好物だった。
 ハムカツフライにおでんの汁をかけ、汁を染み込ませて食す。

 おでんを食べると、いつも思い出す…。




0 件のコメント:

コメントを投稿