2013年10月25日金曜日

【第六回】食・ポークカレーライス




 当地では、煮物や炒り物は少量で作っても美味しくないから、多目に作り、親戚や近所に分ける文化がある。
 また、逆に頂くこともある。
 そうして食べ物を巡らせながら、食が地域のコミュニケーションとなる。



 私が留守番をしていた時に、叔母が現れ、この間のお礼にと豚ロース肉が手渡された。
 何のお礼かは知る由もなかったが、煮物でも持って行ったのだろうと思い、有難く頂戴した。

 我が家では、家族が集まると必ず一度はカレーが作られる。
 夕食はポークカレーとなった。


 2007年3月31日。




 ■材料(6人分)

 豚ロース肉(厚切り500g)、玉ねぎ(3個)、セロリ(1本)、ニンジン(1本)、トマト(1個)、リンゴ(1/2個)、ジャガイモ(5個)、ニンニク(3カケ)、ショウガ(1カケ)、カレー粉(大さじ1)、赤唐辛子(2本)、ローリエ(2枚)、赤ワイン(100cc)、水(1リットル)。EVオリーブオイル、塩、胡椒(各適量)。

 ■作り方

 1.豚ロース肉は一口大に切り分ける。玉ねぎ、セロリはみじん切り。ニンジンはすりおろす。

 2.フライパンに芯を除いて潰したニンニク、千切って種を除いた赤唐辛子、ローリエ、EVオリーブオイルを入れ、火にかける。

 3.香りが立ったら、玉ねぎを加えて飴色になるまでじっくりと炒める。次いでセロリ、ニンジンを加えて炒める。香味野菜が炒まったら、煮込み鍋に移す。

 4.同じフライパンにEVオリーブオイルを注ぎ足し、両面に塩、胡椒を振った豚ロース肉を加えて焼く。表面が焼き固まったら3の煮込み鍋に移す。フライパンに赤ワイン(日本酒でもOK)を注ぎ、沸かしてアルコール分を飛ばしながら、こびり付いた旨味を溶かし込んで煮込み鍋に移す。

 5.煮込み鍋にカレー粉を加えて炒め合わせ、全体が馴染んだら、ざく切りのトマト、おろしリンゴ、おろし生姜、塩(小さじ1)、水を加え、時々アクを除きながら、コトコトと沸く火加減で30分ほど煮込む。

 6.適当な大きさに切り、面取りしたジャガイモを加えてさらに煮込む。ジャガイモが柔らかく煮えたら、塩、胡椒で味を整える。火を止めてしばらく休ませ、味を馴染ませる。

 7.炊き立てのご飯に、温めたカレーをかけて出来上がり。



 材料は手に入るものを追加アレンジしてください。
 本格的にチャレンジしたいなら、クミン、コリアンダー、カルダモン、ターメリック、レッドペッパー、ブラックペッパー、シナモンなどを組み合わせてみよう。
 シード(粒)は最初に火にかけて香りを引き出し(赤唐辛子、ローリエと同じ)、パウダーは焦がさないように具材と炒め合わせながら(カレー粉と同じ)使う。
 好みのスパイス配合を探るのも楽しい。


 カレー、お代わりしたくなった。


 東京電力福島第一原発事故では、幸いなことに、各種調査で放射線による健康への影響は、当初懸念されていたよりもはるかに小さいことが明らかになりつつある。
 食による地域のコミュニケーションが再開される日を願って止まない。






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