2013年10月25日金曜日
【第七回】伊達・菜の花と猫
2007年は努めて伊達に帰るようにしていた。
前年、母が軽い脳血栓で一日の記憶を失う騒ぎがあり、老いを思い知らされたからだ。
幸いなことにすぐに回復したが、いつ何があってもおかしくはない。
個人事業主だった私は、実家の光回線にiBookを繋いで仕事をしていた。
2007年4月4日。
向かいの家で飼っていた老猫は、我が家の庭がお気に入りだった。
父は追っ払っていたが、私は時々撫でたりしていた。
日だまりの中で転寝…。
春は地べたより訪れる。
次ぎに帰省した時、老猫の姿はなかった。
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