【 福 島 の 風 光 】
 郷里である伊達市(旧伊達町)を中心に、風光明媚な福島を紹介します。
伊達市は福島県中通り、県北に位置し、海に山に車で一時間程のロケーション。
吾妻連峰、相馬、会津、宮城県南部、山形県南部が行動範囲。
訪れた地域の食や伝統文化、郷土史にも触れられたらと思います。

2016年7月26日火曜日

【第八十二回】伊達長岡天王祭2016




 今年も7月24日、25日に長岡天王祭が行われた。

 長岡天王祭
 http://www.date-shi.jp/cat47/date/post-290.html


 旧伊達郡伊達町(現伊達市)で阿武隈川の西側、旧長岡村の各方部会が山車屋台を引きながら練り歩き、かつて福島交通軌道線の分岐点があった六角広場や、熱田神社、八雲神社の境内で笛や太鼓を競い合う夜祭だ。
 前日まで近所の集会所では、子供たちが中心となって、お囃子の練習の音が響いていた。

 ※参考:伊達町の歴史
 https://ja.wikipedia.org/wiki/伊達町



 7月23日夕刻より、北部方部会の前夜祭に参加した。






 こちらが北部方部会が引く山車屋台。
 なかなか立派。




 ビールには肌寒い陽気で、途中から熱燗に変えた。






 祭囃子の練習の締め。
 ささやかな花火大会で前夜祭を終えた。






 7月24日。




 桃畑の横を志和田方部会の山車屋台が進んで行く。




 今度は駅前方部会の山車屋台が、お囃子を響かせながら横切って行く…。
 こうして一日中、お囃子と山車を引く子供たちが練り歩くのが長岡天王祭。




 祭囃子を耳にしながら、縁側で「あかつき」に齧りつく。




 高校野球県大会を制した聖光学院の校舎が隣接する、生協団地方部会の山車屋台が通過。
 何度目かは数えてないけど、祭の方から寄って来てくれる。




 一方、厨房では昆布巻きの仕込み…。
 当地ではハレの日に作られる。






 ①下ごしらえ
 餅米の磨ぎ汁に一晩浸けて戻した身欠きニシンを昆布で巻き、水煮する。
 煮干と、大さじ一杯のお酢を加える。
 干瓢では巻かずに、昆布で巻く。
 銅鍋で煮ると、昆布の色は鮮やかさを保つ。

 ②煮含め
 下煮した昆布巻きに、醤油、砂糖、味醂、日本酒を加えて煮含めて行く。
 様子を見ながら三度ぐらい味の微調整。



 (翌25日朝の状態)

 ③仕上げ
 最後に煮汁を煮詰めて味を整え、昆布巻きにかける。
 そうして煮汁を含ませつつ、しばらく休ませたら出来上がり。

 美味しくなる秘訣は、働かせて休ませて、働かせて休ませる。
 料理も人も扱い方は同じかも知れない。
 料理はサイエンス、料理はマネージメント。



 18時頃までに伊達中央交流館駐車場に集まり、お囃子の腕慣らしを済ませた山車屋台は、これより長岡天王通り(旧国道4号線)に出発する。



















 国道399号線から長岡天王通りを、各方部会の山車屋台が練り歩く。
 (動画「長岡天王祭2016年7月24日」参照)








 六角広場に集まり、お囃子の競演が始まった。














 提灯が灯って夜祭らしくなってきた。






 熱田神社の境内へ向かう路地は、出店で賑わう。

 この路地は六角広場の分岐点で分かれ、保原方面へ行く、福島交通軌道線が通っていた。
 熱田神社の前を通り、国道4号線に架かる高架橋をスロープ状に下り、伊達橋へ行く。

 福島交通軌道線については【第三十七回】【第六十九回】で記している。

 【第三十七回】伊達・箱崎 愛宕山から高子沼
 http://onotoshiaki.blogspot.jp/2013/11/blog-post_9.html

 【第六十九回】伊達箱崎の愛宕神社例大祭と獅子舞
 http://onotoshiaki.blogspot.jp/2016/04/blog-post_14.html




 ミスピーチも訪れ、祭に花を添えた。

 熱田神社の前で、間近で写真を撮らせてくれたのだけど、背景が三河屋の建物になってしまった…。
 機転を利かせてこの反対側、神社の鳥居を背景にお願いすれば良かったと海より深く反省。






 20時頃、1日目の競演を終えて山車屋台の撤収が始まった。









 7月25日。
 昼餉はニシンの昆布巻きと赤飯。









 18時45分頃、各方部会の山車屋台は直接六角広場へ向かった。




 お囃子の競演の中、神輿が担ぎ出され、神主によるお清め、剣の舞…。




 そして、巫女たちによる舞が奉納され、神輿の渡御が始まる。






 山車屋台は時折位置を変えながら、お囃子を続けている。
 その周りを練り歩く神輿は、無秩序な動きに見える。

 20時頃、山車屋台は前日出店のあった路地を一台ずつ順に進み、熱田神社の境内へ向かった。
 境内に入ると、また一台ずつ社殿前へ進み、お囃子を奉納。
 奉納した順に横に控えて、最後に神輿が参道を進んできた。
 祭囃子も最高潮。
 (動画「長岡天王祭2016年7月25日」参照)



 6度ぐらいやり直して、ようやく神輿が社殿に収まり、宮入の終了。
 打ち上げ花火が上がった。



 宮入後に六角広場に戻った山車屋台。
 方部会同士の挨拶を済ませながら、帰って行く…。





 同時期に行われる、勇壮な相馬の祭とは対照的。
 長岡天王祭が終わると、いよいよ伊達に本格的な夏が訪れる。

 桃の季節だ。






2016年7月21日木曜日

【第八十一回】磐梯吾妻スカイラインの再開通と浄土平




 2016年7月21日。
 災害復旧工事に伴い、つばくろ谷から浄土平間が通行止めだった磐梯吾妻スカイラインは、工事が無事に完了して再開通となった。



 磐梯吾妻スカイラインについては、これまで3度記している。

 【第一回】浄土平・蓬莱山ハイキング
 http://onotoshiaki.blogspot.jp/2013/10/blog-post.html

 【第二十回】福島 新緑の吾妻山から裏磐梯 喜多方そして鶴ヶ城
 http://onotoshiaki.blogspot.jp/2013/10/blog-post_1910.html

 【第四十九回】吾妻連峰から裏磐梯、西吾妻スカイバレー周遊
 http://onotoshiaki.blogspot.jp/2014/08/blog-post_23.html


 本当はもっとあるのだけれど、更新が進まぬまま今日に至る…。




 8時50分に伊達を出発。
 飯坂温泉経由でフルーツラインに入り、広域農道を通って、高湯街道へ出る。
 その辺りから小雨模様となった。

 高湯温泉を過ぎ、磐梯吾妻スカイライン入り口に到着。
 警備の人に話を聞いたら、まだ上る人は少ないとか…。

 そこから先は、小雨と霧で視界は不良。
 道路沿いには、トリアシショウマやノリウツギ、ヤマアジサイ等が咲いていた。

 トリアシショウマ|四季の山野草
 http://www.ootk.net/cgi/shikihtml/shiki_49.htm

 ノリウツギ|みんなの趣味の園芸
 https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-18

 ヤマアジサイ|みんなの趣味の園芸
 https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-36




 9時48分、つばくろ谷に架かる「不動沢橋」(「伊達〜磐梯吾妻スカイライン〜浄土平」地図B)を通過。
 橋の手前で警備の人に「これより先は一方通行なので、行ったら戻ることはできない」と警告される。

 橋の下は足がすくむ眺望だけど、何も見えない。




 紅葉の名所、「天狗の庭」も霧の中。




 火山性ガスが発生しているため、駐停車が禁止されている「賽の河原」を抜ける。






 吾妻小富士の山頂が見えた。




 10時2分、浄土平の駐車場へ到着。
 駐車料は410円。


 雨は止んでいる。
 浄土平湿原の木道を一巡りすることにした…。




 赤とんぼが沢山。
 歩く先々で気配を感じ、中に浮く。




 一切経山の頂は雲に隠れているが、時折雲間から光が差す。
 ニッコウキスゲがポツポツと咲いていた。

 ニッコウキスゲ|みんなの花図鑑
 https://minhana.net/wiki/ニッコウキスゲ




 福島県の県花「ネモトシャクナゲ」の花は終わりかけていた。

 ネモトシャクナゲ|県の花
 https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/ken-no-sugata/hana-tori-ki.html








 マルバシモツケ|四季の山野草
 http://www.ootk.net/cgi/shikihtml/shiki_1072.htm






 ウツボグサの群生。

 ウツボグサ|みんなの花図鑑
 https://minhana.net/wiki/ウツボグサ(カコソウ)




 木道は花の小路。




 ネバリノギラン|四季の山野草
 http://www.ootk.net/cgi/shikihtml/shiki_1624.htm






 何かコケのようなもの。








 小川から硫黄の臭いが立ち上ってくる。
 一切経山の噴煙は見えないが、不意に周辺は火山地帯であることを実感させられた。




 幾人のハイカーとすれ違う。
 鎌沼でも巡るのだろうか…。








 この周辺では黄色い花が咲き乱れ、蜜を求めて多くのシジミチョウが乱舞していた。




 小富士の上を一瞬だけ青空が横切る。











 10時25分に撤収を開始。
 磐梯吾妻スカイラインを土湯側へ下る。
 不動沢橋から浄土平までは上りの一方通行で、もと来た道には下れない。








 雪の回廊ができる直線道路では、何か白い花が群生し、道端を形取っていた。
 自然に生えたのだろうか…。

 だが、下りもほとんど遠目が利かない…。
 「双竜の辻」でも磐梯山は見えなかった。




 「湖見台」(「浄土平〜磐梯吾妻スカイライン〜鉄兵ラーメン」地図B)で、一瞬だけ雲間から猪苗代湖の湖面がのぞいた。




 途中、猿の大家族が現れた。
 母猿の胸にぶら下がった小猿も含めて20頭はいただろうか…。

 磐梯吾妻スカイラインを終え、県道30号線(旧国道115号線)を鷲倉温泉旅館(「浄土平〜磐梯吾妻スカイライン〜鉄兵ラーメン」地図C)方向へ下った。
 現在の国道115号線(土湯バイパス)は、福島市と猪苗代町とを結ぶ主要道路となっているが、かつては県道30号線がその役割を果たしていた。
 道は狭く、急カーブが多いけど、覆い被さる木々の緑に癒される。
 安達太良連峰の鬼面山を望む辺りは、紅葉の忘れられた名所でもある。

 途中から土湯バイパスと合流し、土湯温泉の信号機を直進。
 広域農道を走り、高湯街道の上り口に戻った。
 高湯街道から磐梯吾妻スカイライン、旧新国道115号線、広域農道で、ぐるっと一周したことになる…。

 フルーツラインを行き、国道13号線にぶつかったら右折。
 13号線を福島市街方向へ向かった。

 そして、11時55分…。

 栗子国際スキー場の帰り、国道13号線の最後のトンネルを抜けたすぐ左手にあった「鉄平ラーメン」。
 そこに店はなくなったけど、今日平野店で20年振りぐらいに「鉄平スペシャル味噌ラーメン」を手繰った。

 【第五回】国道13号線・栗子国際スキー場
 http://onotoshiaki.blogspot.jp/2013/10/13.html

 鉄平ラーメン平野店
 http://tabelog.com/fukushima/A0701/A070101/7001498/






 野菜たっぷり、ジャガイモが多くて嬉しい。
 大きめの焼肉が一枚入っている。